感作率、有病率の増加

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採血を含む調査は地域に限定された報告となり、さらに花粉に対するIgE値は年ごとの花粉飛散数の影響を受け、花粉飛散後に高値となり以後減少が見られるといった季節変動も示すため、異なった年代での正確な比較は簡単ではない。

しかし、比較的最近の報告も含めていずれの年代でも高い感作率、有病率が報告されている。

2006年、2007年に福井大学医学部生、看護学科生、ならびに4病院のスタッフ計1,540人、年齢は20歳から49歳の検討ではスギ花粉感作率は45.3%,ダニ感作率は40.7%,スギ花粉症の有病率は36.7%であったと報告されている。

2005年に行った山梨県農村部4小学校の検査でも代表的な吸入アレルゲンに対して高い感作率が見られ、特にスギ花粉では50%を超え,ダニに対しても40%を超えていた。

ただ、年間のスギ花粉飛散量が異なる地域で比較したところ、スギ花粉感作率、有病率に差は見られなかった。また、重複感作も進み、スギ花粉抗体陽性者の重複感作率は80%に達していた。一方、ダニ抗体陽性者の90%はスギ花粉にも陽性であった。

千葉県丸山町での40歳以上の中高年者の検討でも、スギ花粉抗体陽性者の重複感作率は70%(ダニ、カモガヤ、ヨモギの陽性率がそれぞれ33%、49%、26%)を超えていた(2007年の調査)。

一方、発症で見ると、スギ花粉症のみを発症している割合はスギ花粉症の小学生では40%、中高年者では70~80%と高かった。このことは、重複感作、重複発症が進んでいる一方で、国内のアレルギー性鼻炎全体の中でスギ花粉症の占める割合が大きいことを示すものと言える。今後、全国的な規模での詳細な調査が望まれる。

現役薬剤師