抗原回避/HDM

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通年性アレルギー性鼻炎を治療する上で重要となるのは,通年で症状が持続するので,抗原を同定し,可能な限り回避することである.

以下に抗原回避に対する現時点でのエビデンスを概説する.

アレルギー性鼻炎は抗原に曝露しなければ症状が出現しないため,抗原回避は通年性に限らず全てのアレルギー性鼻炎患者において多くのガイドラインで推奨されている.

しかし,現実には完全な抗原回避は難しく,抗原回避の有用性をはっきり示す研究は少ない。

・HDM

抗原回避において最もよく研究されている抗原はHDMである.

寝具にダニを透過しないカバーをかける,カーペットをフローリングに変える,HEPAフィルター付きの掃除機の使用,ダニ駆除剤の使用など抗原回避対策を検討した数多くの研究がある.

しかし,多くの研究において,規模が小さく質が不十分でエビデンスとしては低いものとなっている.

現時点で得られている結果から考えると,単独の抗原回避策はダニ抗原量をある程度減少させるが,鼻炎症状の軽快など臨床効果においてはそれほど有効ではない.

ARIA guidelineの2010年度改訂版でも,三次予防(発症後の患者に対する環境対策)としてのHDMの抗原回避は推奨しないと明記されている.

コクラン共同計画のシステマティックレビューでは,ARIA同様,エビデンスの乏しさを指摘し,単独の抗原回避は有効でないとしているが,ダニ駆除剤と一連の寝室を中心とした徹底的な環境対策をすれば鼻炎の症状軽減に役立つ可能性を示唆している.

現役薬剤師