鼻噴霧用ステロイド薬

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鼻噴霧用ステロイド薬は,現在使用可能なアレルギー性鼻炎の薬剤のうち,最も強力な薬剤である.

さまざまなサイトカイン,ケモカインの産生を減少させ,炎症細胞の局所への遊走も阻害する。

アレルギー性鼻炎のあらゆる症状に加え眼症状にも効果がある.

抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬との比較試験でも,いずれも鼻噴霧用ステロイド薬の有効性が優っている.

有害事象も軽微でプラセボと頻度が変わらない.

最近発売された薬剤では小児の成長障害は認められない.

以上の点から鼻噴霧用ステロイド薬は,アレルギー性鼻炎の治療薬としては理想的な薬である.

しかし,実臨床では患者のアドヒアランスが悪く,せっかくの効果が十分発揮できていない.

この理由としては,鼻噴霧用ステロイド薬が効果を示すのは,投与から7~8時間後であり,同様に点鼻をする血管収縮薬や効果発現の早い抗ヒスタミン薬とは大きな違いがある.

効果発現の早い方が効果を実感しやすく,患者が感じる効果としては「血管収縮薬>抗ヒスタミン薬>鼻噴霧用ステロイド薬」の順となる.

また,点鼻の血管収縮薬は頓用で使用するので鼻噴霧用ステロイド薬も頓用で使用し,十分な効果が出ていない場合もある.

臨床試験などで確実に使えば最も効果の高い薬剤なので,効果発現の遅いこと,連日噴霧することなどを十分説明して使用させることが,アドヒアランスを改善させ,アレルギー性鼻炎の良好なコントロールにつながる.

現役薬剤師